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◆近刊情報◆

植民地朝鮮と日本仏教
中西直樹・著


まもなく刊行します!出来ました!


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▼刊行の言葉

 本書は、日本仏教による朝鮮布教の全体像の解明を試みたものである。日本仏教による朝鮮布教史の全体像を把握するため、次の五期に分けて叙述することとした。

 第一期は、一八七七年に真宗大谷派が奥村圓心らを派遣して朝鮮布教に着手してから、一八八四年の甲申政変に至るまでの時期、続く第二期は、甲申政変から日清戦争に至るまでの時期、第三期は、日清戦争から一九一九年の三・一運動前までの約一五年間である。第四期は、三・一運動から一九三一年の満州事変まで、第五期は、一九三一年九月の満州事変以降、日本敗戦に至るまでの時期である。

 アジア布教は日本の敗戦後に途絶して、戦後も再開の気運が生じてこなかった。その原因には、敗戦による布教拠点の喪失や在留邦人の引き揚げ、アジア諸国との関係や現地の排日感情などもあろうが、それだけで説明がつく問題とも言えない。何よりも、日本仏教各宗派が、仏教思想の普遍性を根本から問いなおし、アジア諸国との対話・交流を重ねる努力を怠ってきた点に求められるべきであろう。今後、こうした日本仏教のあり方を見直して行くためにも、一層の日本仏教のアジア布教事業の実態解明と検証とが必要となるであろうが、本書がいささかでも、これに寄与することを願ってやまない。 

書 名:植民地朝鮮と日本仏教【龍谷叢書31】
著 者:中西直樹
体 裁:A5判・上製
頁 数:312頁
定 価:4,800円+税
刊 行:2013年10月25日
ISBN 978-4-906943-40-1 C3015

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▼目次

  序 章 9
  本論文執筆に至る経緯 9 
  本書の概要 11
  アジア布教史研究の意義 14

第一章 明治前期・真宗大谷派の海外進出とその背景 17
─ 北海道開拓・欧州視察・アジア布教─ 


  はじめに 17
一 日本仏教の海外布教への基本姿勢 18
  日清戦争後の海外布教の立場 18
  万国宗教会議への消極的姿勢 19

二 北海道開拓とその背景 2
  『北海道百年』への大谷派関係の対応 21
  大谷派関係者の北海道開拓観 22
  北海道開拓着手の事情 24
  北海道開拓の反響 26

三 宗派内の対立と欧州視察 27
  旧家臣団と改革派との抗争 27
  江藤新平への接近と現如の渡欧 28
  欧州視察に関する先行研究 30
  欧州視察の目的 31
  本願寺派との認識の相違 33

四 江藤新平「対外策」と中国布教の開始 36
  江藤新平「対外策」 36
  江藤の渡欧要請の意図 38
  伊地知正治と小栗栖香頂の中国渡航 40
  大教院分離をめぐる宗派内対立 42
  中国布教の本格始動 44
  中国布教の目的とその実態 45

五 朝鮮布教開始とその後 47
  朝鮮布教の着手と宗派の事情 47
  政府側の朝鮮布教への期待 49
  大谷派の親日派育成活動 51
  大谷派朝鮮布教の挫折 52
  おわりに 54

第二章 日蓮宗の初期朝鮮布教 67
─ 布教開始から僧尼入城解禁直後まで─


  はじめに 67
一 日蓮宗の布教開始とその背景 68
  朝鮮布教のはじまりと旭日苗 68
  朝鮮布教開始の背景 70
  日蓮宗教団改革の動向 71
  宗内対立の経緯とその後 74
二 日宗海外宣教会と朝鮮布教の進展 77
  旭日苗の布教意図 77
  加藤文教と朝鮮僧侶教育計画 79
  旭旭日苗の再渡航と海外宣教会の組織 82
  日清戦争開戦と日蓮宗の対応 84
  朝鮮布教をめぐる議論 85
三 佐野前励による僧侶入城の解禁とその後 89
  佐野前励の朝鮮渡航のねらい 89
  岡本柳之助の支援 91
  佐野前励の活動と僧尼入城解禁 94
  佐野前励の帰国後の状況 96
  日本留学生・留学僧のその後 98
  おわりに 99

第三章 朝鮮植民地化過程と日本仏教の布教活動 107
    ─ 日清戦争から初期の朝鮮総督府治政まで─


  はじめに 107
一 日清戦争下での各宗派の動向 108
  本願寺派・加藤恵証の朝鮮視察 108
  慰問使・従軍布教使の派遣 110
  従軍布教使の慈善活動 112
  日清戦争期の朝鮮開教論 113
  本願寺派の暗躍 117
  大洲鐡然の朝鮮布教計画 119
二 日清戦争後における各宗派の朝鮮進出 120
  在留邦人の増加と日本仏教の朝鮮進出 120
  日清戦争直後の各宗の動向 121
  反日義兵運動の高まりとその影響 123
  反日運動沈静後の各宗の動向 124
  浄土宗朝鮮布教の躍進127
  元興寺の創建と浄土宗への圧力 129
三 日露戦争後における朝鮮寺院の末寺化競争 132
  日露戦争後の各宗の動向 132
  浄土宗の朝鮮仏教支配の目論み 133
  朝鮮寺院支配と統監府の対応 136
  朝鮮寺院末寺化競争の激化 138
  武田範之と円宗併合計画 139
四 朝鮮総督府の宗教行政と日本仏教 141
  曹洞宗の「併合」計画と寺刹令 141
  総督府の抑圧策と朝鮮人信徒の減少 142
  在留邦人対象布教への転換 144
  布教規則・神社寺院規則の制定 146
  初期総督府の対仏教施策 149
  おわりに 152

第四章 文化政治と朝鮮仏教界の動向165
    ─朝鮮仏教団の活動を中心に─


  はじめに 165
一 文化政治下での宗教政策の転換と朝鮮仏教界 166
  三・一独立運動後の朝鮮仏教の動向 166
  総督府の仏教施策と朝鮮仏教界の対立 168
  中央教務院の設立170
二 三・一運動後の日本仏教の対応 172
  朝鮮人布教に向けた機運の高まり 172
  仏教朝鮮協会の設立 175
  仏教朝鮮協会の事業展開 176
  仏教社会事業の推進 179
三 「内鮮融和」運動の組織化と朝鮮仏教大会 181
  中村健太郎の経歴 181
  同民会の設立 18
  朝鮮仏教大会の設立 186
四 日本政財界の支援と朝鮮仏教団への改組 188
  財団法人化に向けた機構整備 188
  日本政財界・日本仏教界の支援 190
  財団法人朝鮮仏教団への改組 192
  朝鮮仏教団の事業実態 194
  三浦参玄洞の文化政治批判 196
五 朝鮮仏教大会の開催とその反響 199
  朝鮮仏教大会計画の浮上 199
  大会の開催意図と朝鮮仏教側の反応 200
  朝鮮仏教大会の開催 202
  朝鮮仏教大会の反響 204
  朝鮮仏教普及会の結成 206
  おわりに 208

第五章 一九三〇年代朝鮮総督府の宗教施策と日本仏教 221
    ─ 心田開発運動と真宗大谷派の動向を中心に─

  
  はじめに 221
一 朝鮮仏教界の停滞 222
  日本仏教・朝鮮仏教の朝鮮人信徒数の推移 222
  大谷派と本願寺派の教勢 223
二 大谷派の教勢挽回に向けた施策 226
  大谷派法主夫妻の朝鮮巡教 226
  朝鮮人布教者の登用と開教団総会 228
  朝鮮人布教者の養成 231
三 心田開発運動とその展開 232
  宇垣総督と国民精神作興運動 232
  心田開発運動の始動 234
  心田開発運動の展開と敬神思想 237
  心田開発運動への批判 239
四 国民総動員体制と大谷派の動向 242
  心田開発運動と大谷派の対応 242
  日中戦争下での皇民化施策と宗教対策 244
  弥陀教の集団帰属 247
  『朝鮮の類似宗教』刊行とその影響 248
  弥陀教集団帰属の背景 251
  おわりに 253

第六章 巖常圓と大聖教会 261

  はじめに 261
一 巖常圓の経歴と朝鮮渡航の経緯 263
  巖常圓の修学状況 263
  武田篤初の朝鮮布教計画 265
  朝鮮渡航とその後の常圓 268
二 大聖教会の設立とその布教活動 270
  巖常圓の慶尚南北道での事業 270
  本願寺派の朝鮮進出 273
  大聖教会の設立とその活動 276
  大聖教会の発展 278
三 韓国併合後の状況の変化と巖常圓の対応 280
  巖常圓の引退と韓国併合の影響 280
  本願寺派の方針転換と大聖教会の衰退 282
  教誨師としての巖常圓 286
  おわりに 289

  あとがき 295
  索引

▼著者紹介
中西直樹(なかにし なおき)
1961 年生れ。龍谷大学文学部教授、歴史学科仏教史学専攻
主要著作
『日本近代の仏教女子教育』(法藏館、2001 年)
『仏教と医療・福祉の近代史』(法藏館、2004 年)
『仏教海外開教史の研究』(不二出版、2012 年)
『仏教植民地布教史資料集成(朝鮮編)』(三人社、2013 年)
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